マダミスのつくりかた第2回は、「構築」についてです。具体的に、どうやってマダミスを形にしていくかって話をしていきます。
まずはマダミスを構成する要素について列挙してみますね。
■考えなあかんもの
・導入となるストーリー
・キャラの公開情報
・キャラの非公開情報
・手がかり(必要なら)
・ゲームシステム
・エンディング
だいたいこのあたりが必要になってくるものですね。キャラクターの人数分必要になるので、なかなかにたいへんですよね。
動画でも解説しています。
何から手をつけるか
さて、「おもしろ~いこと」が思いついたら、何から着手すべきでしょうか。
おすすめは、「おもしろ~い」とこから書き出してしまうことです。
①おもろポイントを固める
やりたいことを形にするのがやりたいことですから、そこをまず、ゲームの中心として据えてしまいましょう。ゲームの核心部分が明確になることで、その周りをつくっていきやすくなります。
「特徴的なキャラクターのセリフ」を書きたいのであれば、そのひとことから書き出す。そして、その発言に至る展開を考える、といった具合ですね。
「登場人物が実は〇〇」みたいなどんでん返しを書きたいのであれば、やっぱり驚愕の事実がわかるポイントから作り出すのがいいでしょう。
【発想】のフェーズで考えたことは、ゲームの核となる要素です。あたり前ですけど、絶対にはずせない部分なので、最初につくってしまいましょう。テンションも上がりますしね。ノリと勢いで、ひといきに完成させてください。
②導入となるストーリーと非公開情報をつくっていく
核となる部分ができたら、あとは肉づけしていくイメージです。導入ストーリーと非公開情報を作成し、ゲームとして成立するように組み立てていきます。
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最初はト書きでオッケー
注意点があります。はじめから完璧を目指さないようにしましょう。
「どうせ変更するし」という気持ちで、ラフにつくっていくことです。
「マダミスづくりは整合性をとる作業」だといっても過言ではありません。粗く作って、手直しに時間をかけるものだと思ってください。
マーダーミステリーは、複雑な関係性の中で、互いに探り合いながら真相に近づいていくという遊びです。
前提として、複雑なんですよね。
つくっている最中には気づかなくても、あとになって「辻褄あわねぇ~!」ってなります。書いた文章を丸々捨てることなんて日常茶飯事です。
最初から完璧に積み上げていくというのは不可能です。積み上げては崩して、の繰り返しになります。なので、最初はト書きみたいなイメージでつくっていきましょう。
例)山奥の古い洋館。そこに集まった5人の男女。大学の同級生だが、会うのは久しぶりだ。そこで死体が発見された。
太郎が言う。「犯人はこの中にいる」
花子は青ざめて言った「でも、遺体発見現場には鍵がかかっていたわ」
太郎がいう「そうだ、これは密室トリックなのさ」
みたいな。ここでやたらと古い洋館の描写にこだわっても後から、「やっぱ最新の美術館にした方が都合がいい」とか思うかもしれません。登場人物の名前もど~~~でもいいです。太郎はいなくなるかもしれません。
「名前や設定にこだわって進まねぇ」ってのは、ありがちすぎるパターンですけど、おちいりがちなので特に注意ですね。
ざっくり完成させよう
てな感じで、軽い気持ちでなんとなく全体を完成させてしまいましょう。
この段階では、辻褄があってなかったり、「え?これホンマにおもろいけ?」となっていても構いません。とにかく形にしないと、良いところも悪いところも見えてきません。
方針としては、以下の2点を意識しておきましょう。
①思いついたアイデアはとりあえず盛り込んでおく。
②捨てる覚悟を持つ。
次のフェーズでは、無理のある内容をどんどん捨てたり改変していきます。もったいないと思ってはいけません。とりあえずつくったからこそ、微妙ってことがわかってラッキー!ってことです。